在宅作業中の話し声、移動中のざわめき、夜の生活音。気にしないようにするほど、その音が大きく聞こえてくる。
目は閉じれば光を遮れますが、耳は自分では閉じられません。この記事では、音を意志で無視するのではなく、耳栓で届く量を減らすために、種類の違いと正しい付け方、場面別の選び方を整理します。
耳栓の種類
5つの違い
耳栓は、素材や構造によって付け心地と遮音の仕方が変わります。代表的な5つを紹介します。
1.
フォーム(ウレタン)
指で細くつぶして耳に入れ、中で膨らんで密着するタイプです。広く流通していて価格も手ごろなため、最初の一つにしやすいでしょう。睡眠や在宅作業で、音をしっかり抑えたいときに向いています。
2.
シリコン粘土
耳の奥に入れず、耳の入り口にふたをするように貼りつけるタイプです。耳の中に入れる感覚が苦手な人や、横向きで眠る人が試しやすい形です。
3.
フランジ(つば付き)
傘のようなつばが重なった形で、洗って繰り返し使える製品が多いタイプです。付け外しがしやすく、移動中や短い休憩に向いています。
4.
音量調整タイプ
会話など必要な音はある程度残し、騒がしい音を抑えるように作られたタイプです。まったくの無音は落ち着かない人や、人と話す場面でも使いたい人に。
5.
電子耳栓
電子的に騒音を抑えたり、聞こえ方を切り替えたりできるタイプです。充電が必要な製品が多く、価格は高めになります。
フォーム耳栓の
正しい付け方
フォームタイプは、入れ方で密着の度合いが変わります。米国の国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が示す「丸める・引く・押さえる」の手順です。
1.
細く丸める
清潔な手で、耳栓をしわのない細い棒状に転がしてつぶします。
2.
耳を引き上げて入れる
反対側の手を頭の後ろから回し、耳の上の部分を上と後ろに引きます。耳の穴がまっすぐになり、耳栓が入りやすくなります。
3.
膨らむまで押さえる
耳栓が耳の中で膨らみきるまで、指で押さえておきます。自分の声がこもって聞こえれば、うまく密着しています。
両手で耳をふさいだときに音がさらに大きくこもるなら、すき間がある状態です。いったん外して入れ直しましょう。シリコン粘土タイプは奥に押し込まず、入り口にふたをするだけ。フランジタイプは、無理のない深さまでゆっくり差し込みます。
場面別の
耳栓の選び方
- 睡眠なら、フォームかシリコン粘土
- 移動中や短い休憩なら、フランジ
- 会話も必要なら、音量調整タイプ
パッケージに書かれた遮音性能の数値は、日本や国際規格の「SNR」と米国の「NRR」で測り方が違い、そのまま比べることはできません。数値より、まず自分の耳に合う形かどうかを基準にするとよいでしょう。
使うときの
注意点
使い捨てタイプは汚れたら交換し、繰り返し使うタイプはこまめに洗って乾かします。長時間つけっぱなしにせず、ときどき外して耳を休ませましょう。
痛みやかゆみ、聞こえにくさが続くときは使うのをやめ、耳鼻科に相談してください。
まずは、フォームタイプを一組。今夜の寝る前か、明日の作業中に「丸める・引く・押さえる」で入れてみてください。