大きな出来事は何もなかった。会議もトラブルもなかったのに、家に着くころには話す気力が残っていない。
この記事では、その「なんとなく疲れる」の一因を、感情労働と日々の気づかいという視点から整理します。そのうえで、気づかいの総量を減らす4つの習慣を紹介します。
先に確かめたい
体の疲れ
まず、睡眠が足りているか、体調に変わりがないかを振り返ってみてください。眠りが短い日が続けば、それだけで疲れは抜けにくくなります。
休んでも疲れが長く続く、体重や食欲が大きく変わったといった場合は、体の病気が隠れていることもあります。気持ちの問題と決めつけず、医療機関に相談しましょう。
感情労働とは
感情を管理する仕事
感情労働は、米国の社会学者アーリー・ホックシールドが1983年の著書『管理される心』で示した言葉です。客室乗務員などを調べ、賃金と引き換えに、場にふさわしい表情や態度をつくる仕事として説明しました。
感情労働には、本心は変えずに表情だけをつくる「表層演技」と、求められる感情を自分でも実際に感じようとする「深層演技」があります。95件の研究をまとめた分析では、表層演技は心身の不調とはっきり結びつく一方、深層演技との結びつきは弱いという結果でした。
仕事の外にもある
気づかいの疲れ
ホックシールド自身は、感情労働という言葉を家庭や友人関係にまで広げて使うことには慎重です。もともとは、仕事として求められる感情の管理を指す言葉だからです。
ただ、本心とは違う顔をつくり続ける負担は、仕事の外にもあります。気の進まない集まりで笑顔を保つ。SNSで返信のタイミングに気を回す。一つひとつは小さくても、一日分が重なれば、夕方の疲れになって表れるでしょう。
気合いで耐えるより、気づかいの量そのものを減らすほうが、続けやすい対策になります。
気づかいの疲れを
減らす4つの習慣
1.
反応しない時間を決める
帰宅後の1時間など、メッセージに返信しない時間帯を決めます。通知を確認する時間を一日に数回にまとめるだけでも、すぐに反応し続ける状態から離れられます。
2.
付き合う情報と人を選ぶ
見るたびに疲れるアカウントは、ミュートするか整理します。義務感だけで続いている付き合いは、会う頻度を少し落とすところから見直しましょう。
3.
気を張った場面を
書き出す
夜に、その日気を張った場面を二つか三つ書き出します。減らせる場面と避けられない場面を分けるだけで、どこから手をつけるかが見えてきます。
4.
一人で過ごす時間をつくる
散歩や、何も話さずに入る風呂など、誰にも気をつかわない時間を一日に一つ。短くてかまいません。予定として先に入れておくと続けやすいでしょう。
4つ全部を一度に始める必要はありません。今日は、3の「気を張った場面」を一つだけ書き出すところから。疲れの出どころが見えると、減らす先も決まります。